耐火被覆工事とは?
耐火被覆(たいかひふく)工事とは、鉄骨造の建物の骨組み(梁や柱)を耐火性や断熱性に優れた材料(ロックウールとセメントを専用の機械でまぜた素材)で被覆する工事です。火災の熱から鉄骨を保護し、建物の倒壊や延焼することを防ぐ役割を担っています。ロックウールとセメントを混ぜた素材を使用することで、高所圧送が可能であるため高層ビルなどの現場で力を発揮します。
ロックウールとは?
合同会社坂本工業が耐火被覆(たいかひふく)工事に使用しているロックウールとは、天然岩石を原料として作られる人造の鉱物繊維で、断熱材や吸音材、耐火材として幅広く使用されている素材のことです。
下記のような特徴があります。
・火や湿気に強く、騒音にも強い
・健康被害因子となるホルムアルデヒドや揮発性有機化合物(VOC)をほとんど発生させない
・発がん性評価においてグループ3(=お茶と同じ評価)に分類されている素材
・断熱性や保温性にも優れている
ロックウールとセメントが管を通ります
ロックウールとセメントを混ぜ合わせるために、各素材がそれぞれの管を通り撹拌機(かくはんき)にて混ざり合います。この二つの素材が混ざり合った素材は、鉄骨などの下地に吹付けて施工する不燃製品として、耐火被覆工事に用いられ、耐火・断熱・吸音性に優れています。
・耐火性能に優れ、火災時の鉄骨の変形にも追従できる
・吸音性能に優れているため、騒音が発生する部屋の内壁に使用できる
などの特徴がある素材です。
撹拌機を使用し、ロックウールとセメントを混ぜます
撹拌機という機械を使用し、ロックウールとセメントを混ぜ合わせ、スラリー化させます。スラリー化とは液体の中に固体を混ぜ合わせてどろっとした状態にすることです。
スラリー化することで、下記の様な特徴が生まれます。
・流動性に優れているため、仕上げ施工はコテ押さえのみ
・硬化後に高い強度を発揮する
スラリーポンプを使用し、混合させた素材を圧送する
スラリーポンプというスラリーの移送に対応したポンプを使用し、ロックウールとセメントを撹拌機で混ぜ合わせた素材を圧送します。この機械を使用することで、高層ビルのような高所の現場でも耐火被覆工事が可能になります。
海綿機を使用し、ロックウールを吹き付ける
スラリーポンプにより圧送したロックウールとセメントを混合させた素材を海綿機というロックウールを吹き付ける機械によって鉄骨などの下地に吹き付けます。耐火・断熱・吸音性に優れ、現場にて吹付け施工なので、複雑な形状にも容易に適用できます。
吹き付け工法には下記のようなメリットがあります。
・施工箇所の下地に関係なく、スピーディーな施工が実現
・火災発生時に発煙や有毒ガスが発生する危険性がない